インバウンドマーケティングとは、これまで企業側のタイミングでユーザーへ届けられていたマーケティングから、ユーザーが「探す」行動に合わせたマーケティングになります。新しい概念になるため聞いたことがあるが、詳しく知らない方も多いと思います。今回はインバウンドマーケティングの概要と始めるポイントをご説明します。
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これまでのマーケティングは、広告配信や、テレアポ、飛び込み営業など、企業のタイミングでユーザーを獲得するためのアクションを起こす手法が一般的でした。これはアウトバウンドマーケティングと言われていました。
それに対しインバウンドマーケティングとは、ユーザーが能動的に「検索して調べる」行動をフックに見つけてもらい、そこからコミュニケーションを行い、顧客になってもらうという、インターネットを中心としたマーケティングの考え方になります。特に価格が高価になりやすいBtoB商材や、宣伝に大きな予算をかけられない小規模なBtoC商材に有効と言われています。
BtoBビジネスでは、一般にニーズが限定されていることが多いため、確実にニーズに訴求するには、無作為にアウトバウンドを行うことよりも、ニーズがある人が検索するキーワードを待ち構える方がはるかに効率的です。またBtoCでも大きなマーケティングコストをかけずに開始することができるので、インバウンドマーケティングの方が取り組みやすくなります。いきなり大きな成果は生まれませんが、Webサイトが用意されていれば始めることができます。
始めに情報を提供するWebサイトを用意したら、自社の商材、サービスの価値を検討します。なお、誰にとってどのような価値があるのかを考えるにあたり、3C、4Pなどのマーケティングフレームワークを利用した方が整理しやすいので参考にしてみてください。
参考:Web担当者が覚えておきたい「マーケティング戦略の基本ステップ」
次に価値の提供方法を検討するにあたり、Webサイトの場合には大きく分けて2種類あります。企業が独自に編集した情報をまとめたホワイトペーパーか、広く一般へ情報を開示するオウンドメディア、ブログになります。
マーケティングキャンペーンなどで、個人情報の取得を目的としている場合は、情報はできるだけ開示した方が効果的です。インバウンドマーケティングは検索してWebサイトを探してもらうために実施するので、情報はオープンにした方が良いです。ただし提供する情報価値が顧客化するための最後のプッシュでしたら、オープンにせずに取得した個人情報を元にコミュニケーションを始める戦略もありえます。
コンテンツを公開したら、ユーザーに見つけてもらう施策を行います。探してもらいたいキーワードをコンテンツに反映するSEO対策、SNS投稿、リスティング広告など可能な限り情報を拡散させます。
最終的なゴールはWebサイトの情報、コンテンツを提供して顧客化することになりますが、すぐに顧客化するのは若干ハードルが高いため、複数のステップを目標として設定します。
「潜在顧客」はWebサイト訪問がゴールになります。Webサイト訪問者を「見込み顧客」にするには、もう一歩踏み込んだ体験、価値提供が必要になります。ホワイトペーパーのダウンロード、イベントセミナーの申し込みをゴールに設定します。
そこからさらに見込み顧客を「顧客」にするには、複数の設定を持つ必要があります。オンラインのコンテンツで継続的にコミュニケーションを取りながら、セミナーの参加、商談のアポイントなどリアル接点を増やしていき顧客化していきます。
最後に各ゴールの効果検証を行います。集客から顧客化までの一連の指標としては、対象ページのセッション数、PV数、流入経路、コンバージョン数、フォーム離脱率を確認します。
インバウンドマーケティングは、コンテンツやSEO対策、ソーシャルなどを使って見込み顧客に「見つけてもらう」ことになりますが、まずはコンテンツを充実させることが必要不可欠になります。結果が出るまでには時間が掛かりますが、出来るところから始めてみると良いです。