BtoB向けのホームページからの受注を伸ばしたいとき、一般的にはホームページのリニューアル、SEO対策を想像される方が多いと思います。しかし受注を増やすWeb戦略からすれば一部であって全体ではありません。まずは受注までのストーリーを見越した全体像を把握する必要がありますので、実践しやすい形でご説明いたします。
受注までのステップは大きく分けて「集客」「コンテンツ」「営業フック」「訪問、提案」「受注」の5つのプロセスで整理することができます。SEO対策、リスティング広告では主に「集客」プロセスしかインパクトを与えることができません。
ホームページのリニューアルでは、主に「コンテンツ」及びお問い合わせやアドレス獲得の「営業フック」の2つのプロセスしかインパクトを与えることができません。さらにホームページから営業に引き渡し「訪問、提案」を行なって「受注」につながります。
仮に広告とリニューアルがうまくいっても、営業と連携を取り効果的な提案が出来なければ受注にはなりません。だからこそ、今一度受注までの流れを振り返り、各プロセスにおいてパフォーマンスをアップさせる施策を検討する必要があります。一貫したストーリーがあればこそ、顧客から見て有効な営業力が発揮されます。
5つのプロセスを分けて検討すれば、数値化の検証がしやすくなります。集客であれば、広告出稿数に対して何人をホームページに集客したかというCTRなどが参考になります。誘導数そのものが少なければ新規広告出稿が優先事項になります。誘導率が低ければ、コピー、媒体選定が改善の優先事項になります。
サイト訪問から営業フックへの誘導率が低ければ、誘導した顧客を窓口へ誘導できていないということになります。誘導経路を確保するためにナビゲーション改修、コンテンツ追加を中心に施策を検討します。
営業フックまで到達しているものの、コンバージョンにつながっていないのであれば、フォーム内容に課題があります。フォーム内部に改善を行っても改善しない場合は、営業フックそのものの見直しに着手します。受注率が低ければ、ホームページから一旦離れて提案方式、提案内容に力を注ぐべきです。ホームページから引き継いだ後の営業の動き方を見直す必要があります。
各ステップの値が数値化されることにより「数」と「率」の両面からプロセスを数値化するすることが可能です。また改善施策の前後比較を行い、実行した施策に対する成功可否を判断する重要なデータが得られます。
ただしデータ分析はアクセスログだけではなく、集客側の広告データと問い合わせ後の提案、受注データをつなぐ必要があります。集客、アクセス、営業フォローデータをつき合わせて一貫した施策を検討します。
5つのステップの中でもホームページと営業を結びつける役割を果たすのが営業フックになります。営業フックとは営業がコンタクトを取れるようにフックをかけるという意味で「お問い合わせ」「資料請求」が代表的なものになります。
商材、サービスにより「相談会」「セミナー申し込み」「デモ依頼」「サンプル貸し出し」「見積依頼」「メールマガジン登録」などのバリエーションでアプローチすることも可能です。ポイントしては、顧客心理として問い合わせや資料請求した場合、一定の営業電話や個別メールは覚悟しているはずです。それでも問い合わせしたいと思わせることが重要です。
価格が分かりにくい業界では「価格」の問い合わせは強いニーズを生みます。差別化要因が分かりにくい業界では「比較資料」は顧客が欲しがる資料です。事例が公開されていない業界では「事例コンテンツ」が資料請求で申し込めると良いです。専門性が高ければ、技術者が回答する「相談窓口」を設置したり「専門セミナー」を開催することもできます。
さらに踏み込めばどんな営業フックを作るかということだけではまだ足りません。どんなラインアップで営業フックを設計するかという視点まで掘り下げる必要があります。営業フックの設計には2つの方法があります。
一つ目は並列型の営業フックです。並列型の場合、複数の営業フックを同時に見せて、顧客のタイミングや検討レベルに応じた窓口を選んでもらう形をとります。例えば、誰でも気軽にできる資料ダウンロードを見せ、一般的な問い合わせ窓口を設けた上で、見積窓口を別途設置するなどの配置例があげられます。
顧客の検討レベルが低くても気軽にできるもの、また検討レベルが高くなれば知りたくなる窓口を設けることで関心を持った顧客を逃さない構造にします。具体的に業者選定をしている顧客に向いているため、主に下流工程の営業に適した設計方法になります。
もう一つは直列型の営業フックです。ホームページではターゲットとする業界にいる人ならば誰でも関心があるような内容、かつ過度に営業色がないものを前面に出します。その後、メール、専門ページ、人的営業を通じて、次ステップに進むように促します。
例えば特定の業界に関する法律の施行にあわせてセミナーを開催し、セミナー申し込み後の顧客の中からどうしても商談したい顧客に個別相談会を告知し、詳細提案に持ち込むといったモデルです。
単純に個別相談会をホームページ上に告知しても、どんな顧客が相談に来るかは選べません。下手すれば見込みではない顧客に何度も無料相談しなければならないリスクがあります。
そこで直列的にセミナーなどど組み合わせて配置することでワンクッション置き、主体的に選別可能な営業を実現することができます。顧客は自分達の検討タイミングでなければ個別相談会や詳細提案に応じないはずなので、上流工程営業に適した設計方法です。
上記のように、複数の手法を組み合わせてつなぐことにより、自社独自のWeb戦略となり、最終的にはホームページを活用した効果的な営業設計図として機能していきます。
各手法を実践するには対応しなければならない範囲が多岐に及ぶため、成果を上がるまでに時間が掛かり、場合によっては結果が出る前に断念してしまう状況が見られます。
ホームページからの受注について悩まれている方は、初期の無料診断を行っておりますので、是非、私たちにご相談ください。