「初心者向け」効果的なカスタマージャーニーマップの作り方

マーケティングの戦略手法も時代によって大きく変化しております。企業側から市場を一方的に見るのではなく、ユーザー視点からのアプローチが必要になります。ここでは、ユーザーの行動全体を企業側からではなく顧客視点で可視化できるカスタマージャーニーマップをご説明します。

目次

カスタマージャーニーマップの必要性

Webマーケティングの戦略を考える際に、Web周辺のことだけに捉われていないでしょうか?「Webサイトの閲覧数が増える」「Webサイトの対象ページを見てもらうようになる…」 しかしユーザーから企業を見たときは小さいアクションに過ぎません。

「企業としてどのようにユーザーに接するべきか?」「ユーザーにどのような体験をさせるか?」といった点を考えるに、企業とユーザーとのコミュニケーション接点、プロセスを「見える化」したものがカスタマージャーニーマップになります。カスタマージャーニーマップは、ユーザーの接点から企業活動を可視化でき、アクションにつなげられるフレームワークになります。

カスタマージャーニーマップ事例 引用:Adaptive Path

カスタマージャーニーマップの作成手順

では、ここから具体的にカスタマージャーニーマップの作成をご説明します。

1.ペルソナの設定

カスタマージャーニーマップを作る前に、まず対象となるユーザーのペルソナを設定します。性別、年齢、職業、家族構成などの他に、リテラシーなどの特性を含めて設定します。具体的にはGoogleアナリティクスのアクセス状況、購入履歴、サービス利用状況などのデータから対象となるユーザーをピックアップし、各属性をマッピングシートを使って整理します。

マッピングシート例

マッピングが完了したら、ユーザーを「存在している人物」までイメージできるレベルまで作り込んで行きます。顔写真、名前、趣味などの属性を持たせます。基本的には任意の設定で構いませんが、そのユーザーの特徴を最もよく代表している属性を選ぶことが重要です。

例えばデジカメを選ぶにあたり「デザイン重視」「スペックは気にしない」という思考を持っているユーザーのほとんどが「若い女性」であったならば、ペルソナを「20代女性」とします。

2.行動シナリオの作成

ペルソナを設定したら、そのペルソナがある状況において目的を達成するまでの一連の流れを「物語」=「行動シナリオ」として作成します。行動シナリオは、ペルソナが主人公となるように記述していきます。

例えば、ペルソナの名前が「鈴木花子」である場合、「花子は、友達と海外旅行に行くことになったため、デジカメを購入することにした」のようになります。このようにストーリー性を持たせることにより、シナリオの読み手は、ユーザーの気持ちに立って物事を考えやすくなります。

また、シナリオに具体性を持たせるために、マッピングシートで導き出された情報を付け加えても構いません。例えばデザインを重視するならば、「花子は、とにかく可愛いデザインのデジカメが欲しいと思っているため、まずは商品写真だけを見て、候補になるデジカメを絞り込んで行った」という表現になります。

ペルソナ、行動シナリオ、ゴール例

3.ゴールの導出

次にこのペルソナの最終的な「ゴール」を設定します。ゴールとは、「ユーザーがこのツール、サービスを使って最終的に成し遂げたい目的、獲得したい体験」を意味します。ゴールはペルソナが持つ特徴、シナリオから、その根底にあるユーザーの目的を推定することにより導き出されます。このゴールがカスタマージャーニーマップを作成するうえで非常に重要な役割を果たすため、わかりやすく簡潔に記述することが重要です。

4.カスタマージャーニーマップの作成

ペルソナの設定ができたら、実際にカスタマージャーニーマップを作成します。まず横軸には「ステージ」を配置します。この範囲、粒度については、どの部分にフォーカスして戦略にするかによって変更が必要になります。例えば、購入が目的のWebサイトについて検討したい場合は、Webサイト訪問→選定→購入→評価が範囲になります。

次にそれぞれのステージで、ユーザーはどのような行動をとるかペルソナを参考に、思いつく限り書き出してみてください。そのあと、似たような行動はグルーピングして1つのアクションとして整理してください。また書き出した行動をユーザーが取るときに、どのようなことを考え感じているか、ポジティブ、ネガティブ問わず思考を書き出してください。

最後はユーザーの行動、思考を俯瞰して、自社が今後とるべきアクションを書き出します。ユーザーにとってポジティブな体験をより良いものにするには何をすべきか、ネガティブな体験を改善するにはどのような対策を行うべきかといった視点で検討します。

カスタマージャーニーマップ例

まとめ

多様なユーザーが商品、サービスを購入、利用するにあたり、時系列で把握できるフレームがカスタマージャーニーマップになります。
使いこなすには、ノウハウや経験が必要ですが、まずは今回ご紹介した基本をおさえて、作成してみるところから始めて見てください。

ご相談・お問い合わせ

サービスに関するご相談・お問い合わせは、こちらからお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせ >