日々、多くの企業がWebサイトを運用している中、ユーザーに対して結果が出るWeb戦略を実施するためには「競合分析」が不可欠になってきています。ここでは「競合分析」の目的とツールの使い方をご説明します。
まず、Webマーケティングでの「競合」を定義するにあたり、「リアルの競合」「Webサイトの競合」の2種類が考えられます。「リアルの競合」については、一般的にイメージされる競合他社のWebサイトのことになり、同業界の他社がそれにあたります。例えば飲料メーカーであれば、競合は「キリン」「サントリー」などのWebサイトが対象になります。
次に、Webマーケティングでは「リアルの競合」以外に「Webサイトの競合」を把握する必要あります。自社の顧客になりうるユーザーが検索する可能性があるキーワードで検索上位に表示されるWebサイトになります。例えば自社が人材紹介サイトを運営していた場合、ユーザーが検索するであろう「就職活動」「転職」「採用」などのキーワードで上位に表示されるWebサイトは、競合と捉えることができます。
競合分析を行う目的は「差別化」と「学習」になります。競合のWebサイトが膨大にある中で、「差別化」したコンテンツをユーザーに提供するか、「差別化」したターゲットを狙う必要があります。そのためには、自社Webサイトのターゲット、コンテンツ、デザイン、ランディングページ、広告を徹底的に比較し、自社Webサイトの強みを把握します。
そして目的のもう一つは、「学習」です。学習は競合Webサイトから良い点を自社Webサイトに取り込むことになります。自社Webサイトを成長させるアイディアをゼロから生み、反映させるのは効率的ではないです。しかし優れたWebマーケティングを行なっているWebサイトを分析することで、施策のヒントを効率的に得ることができます。
まず始めに、分析を行うWebサイトをリスト化します。リスト化すべきサイトは「リアルの競合」「Webサイトの競合」で検討します。「Webサイトの競合」については、主要な検索キーワードからピックアップします。
また、「他業種の優れた行うWebサイト」も見る必要があります。競合分析を行う際に「競合サイト」ばかりを分析していると、「差別化」を意識してもユーザーから見れば似通ったWebサイトが出来てしまう可能性があります。そこで他業界の優れたWebサイトを分析することで同業種では気づかない差別化要因が発見できることがあります。
競合分析を行うべきサイトをリスト化しましたら、3つの視点で分析を行います。
自社サイトのターゲットユーザーと、競合のターゲットユーザーを分析します。競合ユーザーの興味関心が高いWebサイトのキーワード、ユーザーの年齢、性別などを分析し、統計的に見ることでユーザー属性、キーワードニーズを把握することが出来ます。これにより競合のWebサイトのターゲットを把握し、自社ターゲットと比較することで、伝えるメッセージを明確にすることが出来ます。
自社Webサイトのターゲットニーズを把握した後は、コンテンツを比較分析します。サイト構造、内容を明らかにし、詳細を比較します。出来るだけ細かい粒度で比較することにより「競合Webサイトが出来ていて、自社Webサイトにも出来ること」「競合Webサイトが出来てなく、自社Webサイトが出来ている」などの状態が明らかになり、差別要因、弱点を把握することでコンテンツに活かすことが出来ます。
自社Webサイトのターゲットユーザーが、どのようにして競合Webサイトに流入しているかを分析します。各企業のWebマーケティングによって、流入経路が大きく変わってきます。それを比較分析することで、自社Webサイトへの新しい集客経路が見つかる可能性があります。例えば競合が大きくSNSの流入を増やし、成功していたなら、自社WebサイトでもSNSの施策を重点的に行うことが良いと考えられます。
SimilarWebを利用するとURLを入力するだけで、競合Webサイトのトラフィックを解析することが出来ます。 SimilarWebではトータルビジット(セッション数)、平均滞在時間、平均PV、直帰率、参照元サイト、検索種類などが閲覧出来るため、競合サイトのアクセス状況、広告施策などを参考に出来ます。
事前にピックアップした競合WebサイトのURLを入力し、自社Webサイトと比較することで、自社競合の強み、特長を把握出来ます。従来の競合Webサイト分析ではヒューリスティック分析が主流であり人的リソースが必要でしたが、SimilarWebを活用することで作業コストを大幅に削減することが出来ます。
ただし、SimilarWebのデータは「パネル」と呼ばれる視聴率モニターにより収集した匿名のアクセスデータを処理しております。Googleアナリティクスとはデータの取得方法が違い同じWebサイトでも結果に差異が生じることがありますので、傾向値として捉える必要があります。